こんにちは!土木ブロガーの監督やっくんです!
本記事は筆者なりに調べて解説しています。専門家の人が見たら、突っ込み満載の記事かもしれませんが、少し大目に見てください。誤った解説がある場合は、連絡してい頂けると幸いです。
年々、豪雨災害によって年間の雨量は増加傾向にあり、気候変動や都市化の影響により、水害リスクは高まってきている。豪雨災害から身を守るにはいち早い避難が必要です。毎年豪雨災害が起こるのだから、河川工事で「氾濫しない川は作れないのか?」と思ってる方もいると思います。
今回の記事は、そんな『川の氾濫』について解説していきます。
結論 : 川は氾濫するようにできている
氾濫に関するポイントは以下の通りです。
氾濫のポイント
- 流域面積、川の幅や深さ、傾きなどによって水位の上がり方が違う
- 川の水位上昇にはどこで雨が降っているかが重要
- 雨の降り方にによって川が氾濫するかどうか決まる
流域面積って
雨や雪が降ると水は川に集まる。川に流れ込む土地の面積を全部あわせたもので下図の赤で囲まれた面積が流域面積です。矢印は水の流れを示し、山の尾根を境に尾根の川側に降った雨が川に流れ、海に流れていきます。なので、尾根の反対側の水は流れてきません。
さらに詳しく
利根川は日本で流域面積最大の川です!
流下能力と川の傾き
流下能力とは川が流すことのできる洪水の規模のことで流量で表現する。川幅、深さによって断面積が決まり断面が大きいほど多くの水が流れます。また、川の流れる速さと水位の上がり方は川の傾きによって異なり、急で短い川ほど水位の上昇は早い。
体積流量=断面積×流速 Q=A×V
氾濫する時って
水位の上昇はどこで雨降ってるかが重要で、流域内で大雨が降れば水位は上がり、流域の外側で大雨が降れば水位は上がらない。
また、雨の降り方によって川が氾濫するかどうかが決まり、仮に下図の赤で囲まれた流域に局地的な集中豪雨が降ったとします。その川幅が狭く、急で短い川なら水位の上昇は早く、川が氾濫する可能性が高くなるって訳です。
確率年
一般的にその洪水が発生する確率年(再現期間)というものがあり、河川整備を行う時など、最大の雨に対応できるような流下能力(流下断面)を決めようと言うもので、その規模によって参考にする数値決めるために、過去に遡る期間ことです。
100年の雨量のデータの蓄積があって、そのうち時間50mmを超える雨が20回発生したら、平均すると5年に1回、50mmを超える雨が降ることになる。この5年が再現期間であり、最大の雨に対応できるような河川の設計を決めようとするものです。この確率年が長ければ、稀にしか起きない雨であるから、より大きな、より強いというこになります。
1時間に50mmの雨が降っても溢れないように設計するとしたら、1年でその雨の強さ(50mm)を超える雨がどれくらいの確率で生じるか調べて溢れないように設計したりします。
例えばグラフ1の再現期間100年で50mm以上雨が降る確率20%で河川の設計をしたとしても、過去200年で50mm以上の雨が降る確率が100%なら再現期間100年で河川の設計したものはアウトと言うことです。
確率年は川の規模や想定災害の大きさによって行政が決定しています。大規模な河川工事なら100年とか、地方の小さな河川工事なら10年とか。
グラフ2は、最大降水量と確率年を合わせたものです。(降水量の数字は本題と関係ないです)
確率年10年の最大降水量は300mm
確率年50年で最大降水量は700mm
確率年100年で最大降水量は800mm
確率年200年で最大降水量は1400mm
確率年300年で最大降水量は1500mm
川はなぜ氾濫するのか?
まとめると、どの川にも流域面積を持っています。流域面積と雨量と確率年によって河川の設計がされています。
ここまで考えておきながら、川はなぜ氾濫するんでしょうか?
小学生でも解ける簡単な算数です。
川は流域面積と雨量と確率年によって河川が設計されるので、設計を超えた雨が降れば当然川は氾濫します。
(グラフ2参照)の確率年100年で設計しても、過去300年間の最大降水量が降れば、河川は氾濫するってことです。設計が悪いとかどうか?とか、雨量が想定外、想定内とかも関係ありません。設計を超えた雨か、超えてない雨かで答えは出ます。
氾濫しない川は作れないのか?
全国の河川の堤防を10m程度のコンクリート壁を作れば、氾濫することはないですが、莫大な工事金額になるので現実的には無理でしょうが。
仮に過去に降った雨量の正確な統計がとれている期間が100年だったとし、 その統計を基に確率年100年の雨が降っても流れる川を作ったとしましょう。
ぶっちゃけその川は【確率年100年規模の雨が降っても溢れない。しかし、それ以上の雨が降ったら溢れるかもしれない。いや、きっと溢れるよね】という事になります。
統計が300年間あったとして確率年を300年に引き上げても同じです。 過去にも統計以上の雨が降っているかも分かりませんし、今後も統計を塗り替えるような大雨が降るかも分からないのですから。 現状では完璧な氾濫しない川は作れないということになります。
まとめ
毎年、豪雨災害によって全国のどこかで川の氾濫がありますが、いつもより注意深く近くの川について知ることが出来たら思い、記事にしました。川が持つ流下能力よりも大量な水が流れたら氾濫するという単純なことですが、どうにもならないのが現状です。少しでも川の氾濫が少なくなることを願っています。
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